税金の話をしよう 政府は経済をどうこうすべきでない。

2012年01月27日 Saidani

翻訳:mkaga

日本では消費税引き上げのニュースがヘッドラインを賑わせている。貿易赤字やTPP,普天間基地に福島原発、それにイランへの経済制裁のことは置き去りで、まず消費税問題が片づかなければ何も進まないようだ。日本人にとって困ったことに、この問題が解決したところで生活がより良く豊かになったりは死なさそうである。

私たちはこの問題を、こんな風に考えている。現在の日本の財政危機をもたらした主な原因は社会福祉制度だ。増え続ける人口と継続的な経済成長の下でのみ可能な社会保障制度がどのように作られてきたか、ここで何度も取り上げた。出生率低下が始まったのは、現在のように制度が拡大された90年代よりずっと前の70年代だったから、人口の面でも経済成長の面でも、すでに当てはまらなかったというのに。経済の崩壊後の社会保障システム拡大は問題を悪化させただけだ。しかも、政府は高齢化社会は最近のもので、一般の人々に増税を課さなければ解決できない、と国民に思い込ませている。もちろんこれはごまかしだ。

消費税を二倍にしても年金制度を支えるには不充分なことはもう判っているし、2021年までに赤字削減目標を達成することも出来ない。

日本政府は国際社会で制約を交わした2015年と2020年の財政赤字削減目標を達成できないだろう。もし達成しようとするなら、火曜に発表された政府の試算がほのめかしたように、消費税の増税に加えてさらに増税を行い、支出を減らさなければならない。永田町は2020年度(2021年3月末まで)にプライマリーバランスの黒字化を達成すると国際公約を掲げている。2015年には、赤字を2010年の半分まで減らすことになっている。プライマリーバランスの黒字化とは、国債を新たに発行せずに、国家が国債費以外の政府の支出をまかなうことが出来る状態のことだ。(日経新聞)

だが、もしこの目標が達成されたとしても、政府が借金を重ねるのは止められない。その頃までの赤字の増大によって、国債費も増加しているはずだから。そして、これが赤字に対する現在の利率だ。もし利率が上がれば、公共のための予算などあっというまに吹き飛んでしまう。

さらに国債費は、次の会計年度で21兆9千億円から27兆5千億円まで拡大する見込みである。

つまり、日本の財政赤字が2012年の22兆3千億円から2015年に18兆2千億円まで減少したとしても、国債費は増加しているため、新たな債権の発行を減らすことは出来ない、と言うことを意味している。

面白いことに、政府は消費税増税で得た財源を非常に限られた、政治的な目的以外では使わない事になったとしても、増税の結果について理解しているようだ。

野田佳彦内閣は金曜、来年度に行われる一連の税制改革計画を承認した。自動車税の減税や、地球温暖化対策に使われる環境税の導入も含まれる。政府は関連法案を、3月までの今年度末までに国会を通過させる考えだ。

輸出が伸び悩む自動車業界(原因の一つは円高だ)を支えるために、自動車税を減らして消費者に車を欲しがらせようというのである。

また、来春に期限切れとなる、規定のエコカー購入者に対する減税措置も、延長する考えだ。

環境税は工業用炭素排出量を削減するためのものだ。原油や液化天然ガスの値上がり、という形で実行されるだろう。この税負担は来年10月からの導入を目指している。

つまり、一般家庭が自分たちの財産を守ろうとする-または、月々の給料でなんとかやり繰りしようとする-一方で政府は、一般的な経済活動を活性化させるのではなく政治的な目的のために人々に消費させるために、税金を利用する、という訳だ。エコカー減税が車の購入を活性化させるためのものだとしたら、増税は逆に消費を控えさせることになる、ということは分かるはずだ。タバコの消費を減らすために、タバコに増税を課した。人々が使いすぎないようにと、原油と液化天然ガスにも増税した。

この理屈では、もし消費を増やすことが経済活性化のための目標だとしたら、消費税は上げるのではなく下げるべきだ。政府はまだそんなふうにするつもりはない。その代わり、全ての商品の値段を上げるという。結果として生活費が上がることになる。2015年までに5%、おそらくその後5年でまた6%上がる。消費税増税が消費の低下に結びつかない、と政府はどうやって説明するのだろう。政府も認める生活に必須の商品、例えば 携帯電話 (そう、本当に認めている)や、食料や燃料まで値上がりしたとしても。

さらに悪いことに、増税による生活費の増加は、年金受給者や生活保護を受ける人々の暮らしをさらに厳しくする。増税は社会保障制度のためのものではないから、政府は制度から支給される金額を減らさざるを得なくなるだろう。そして年金に頼って生活する退職者たちは、充分な金額を得られず、とても質素な暮らしをせざるを得なくなる。

ではどうすればいいのだろう。一般の日本の人々が、痛みを感じなくても良い方法は無いだろう。しかし、もし政府が無駄遣いをやめなければ、日本自身が自ら行える解決策は全く無くなってしまう。特に企業助成政策や政治的に影響力のある業界への助成、実利のない政治的な環境問題対策に無駄遣いをし続けて、一般家庭に異常なほど重たい負担を負わせ続けるのなら、できることはまったくない。炭素を主成分とする燃料は止めよう、というのはよく知られた問題かもしれないが、世界の他の国-特に中国とアメリカ-が支持していない状況では、日本でもそれを進めようとする人はほとんどいないだろう。日本だけで世界を救える、などと本当に考える人がいるだろうか?そのために経済が崩壊しても良いと考えられるだろうか?

政治家は国の経済で重要な位置についてはいけない。過去20年間の酷い経済状況を弁解しようとする政府が何か良い政策をしたという話はほとんど聞かない。それに、政府が経済から可能な限り遠く離れない限り現在の下降傾向は変わらず、将来的な望みも無い。こんな時、数学は役に立たないのだ。

 

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