戦争犯罪容疑者、テイラー元大統領はCIAに雇われていた

2012年01月22日 Saidani

翻訳:mikte

チャールズ・テイラー元リベリア大統領がシエラレオネの殺りく部隊を「カニバリズム」(宗教的儀式として人肉を食す行為)に駆り立てていた頃、世界史上、最も道徳的で公正な国家は、情報提供者としてテイラーに金を支払っていた。アメリカの道徳的権威ももはやこれまでだ。

Al Jazeera より:

ボストン・グローブ紙が入手した情報によると、リベリアのチャールズ・テイラー元大統領は幼い子どもの腕を切り落とした賊軍に資金を提供し、「ブラッド・ダイヤモンド」を密輸し、性的奴隷を囲い、敵を拷問したことで起訴されているが、別の経歴も持っていた。アメリカの諜報機関に情報を提供していたのだ。

現在、テイラーは国連が支援するシエラレオネ特別法廷から国際起訴されている初の元アフリカ人リーダーとして、ハーグに拘留されている。1990年代、テイラーは25万人を超える人々が死亡したリベリアとシエラレオネの内戦に関与したと言われている。

ノースウェスタン大学でアフリカの政治的暴力を研究するウィル・リノ教授は、アルジャジーラに対し、「興味深い展開だ。テイラーにこういった全ての人権侵害の責任があっても、アメリカは彼を支援していたのだろうか? アメリカはその一因だったのだろうか?」と語った。

国防総省の諜報機関であるアメリカ国防情報局(DIA)は、1980年代に自局とCIAの諜報員がテイラーに協力していたことを確認したが、国家安全保障を理由に、その関係の詳細を明らかにしようとしなかった

情報提供者?

以前、NGO団体「Global Witness」で西アフリカの調査活動を行い、現在は民間企業で働いているアレクサンダー・イエースレイ氏は、アルジャジーラに対し「ジョージ・W・ブッシュが(2001年に)大統領になった時、テイラーがCIAからまだお金を受け取っていることに気付き、それをやめさせた」と述べた。

イエースレイ氏はリベリアでイギリス諜報部高官と会談した際に、ブッシュの決断について知ったという。「(テイラーとアメリカとの関係が)ずいぶん長く続いたのは偶然ではなかったが、当時テイラーはアメリカにとって有益な情報源ではなくなっていた」

アルジャジーラはイエースレイ氏の話の裏付けを取れなかった。アメリカは1990年代半ばまでに、テイラーとの関係をほぼ絶っていたと考える専門家もいる。しかしそれが真実なら、テイラーはここ20年間で最も残酷な内戦の1つを煽りながら、CIAやDIAのために働いていたということだ。

2009年、殺りく部隊司令官だったジョゼフ・マルザはハーグの裁判官に対し、テイラーはシエラレオネ内戦の際、敵に対して「カニバリズム」を行うよう部隊に命令したと語った。ある女性は法廷で、自分の2人の子どもたちも入った切断された頭部でいっぱいの袋を運ぶよう強要されたと証言した。

検察は、1997~2003年にリベリアを支配したテイラーがブラッドダイヤモンドを売り、国際的な武器禁輸を巧みに逃れることによって、シエラレオネの革命統一戦線(RUF)の兵士に資金を提供したと主張している。テイラーはこの容疑を「極悪非道なウソ」と称し、強く否認した。

冷戦時代の政策

ロンドン大学キングス・カレッジのジェフリー・マイケルズ戦争学教授は、アメリカのテイラー支援は冷戦という背景の中で考える必要があると指摘した。

マイケルズ教授はアルジャジーラに対し、「こういった独裁者など腐敗した人々と手を結ぶ上での問題を、アメリカは恐らく認識していたと思う。南ベトナムのゴ・ディン・ジエムや・・・パナマの(マヌエル・)ノリエガなど、アメリカが関与した最も顕著な例を見ると、アメリカの利益に同調することの多いリーダーを権力の座にとどめるために、CIAが外交政策の補助として存在している」と語った。

そして、アメリカの利益に同調しない者は排除される。チリ、イラン、イラク、リビアが思い浮かぶ。日本の鳩山元総理でさえ、アメリカの不満の痛みを感じたかもしれないのだ。

テイラーの行為をよそに、専門家はアメリカの支援が最近明らかになったことによって、諜報機関のメンツが丸潰れになることはないと考えている。

リノ教授はこう語った。「テイラーが諜報機関と度を越して結び突いていたことが分かっても、モラルの基準点を選べば、物事は違ったものになる。アメリカ政府の政策の観点から考えると、この話はすぐに終わってしまう。リベリアはアフリカの中では小さな国だ。リベリア人にとっては関心の高いことでも、アメリカ政府内部では大したことではないと思う

大したことではない。これはアメリカが世界中で行っているやり方だ。アメリカの利益になる限り、立入禁止の場所などないのだ。

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