Business Insider より:
昨年3月、福島第1原発で3機の原子炉がメルトダウンして3重の悲劇──日本人が3.11と呼んでいる出来事──が起こった後、日本政府は事故を収束させるためにできる限りのことをしているはずだと思っているかもしれない。しかしそれは間違っている。全くの間違いなのだ。
マグニチュード9.0の地震と、それに続く45~50フィート(約13.5~15m)の水の壁によって発電所が水浸しになり、原子炉の冷却システムが機能しなくなり、その後メルトダウンが起こるという連鎖反応の結果、莫大な量の放射性がれきが生じたが、それをを集め、隔離し、管理する代わりに、細野豪志環境相は日本全土で震災がれきを受け入れることによって、福島の苦しみを分かち合うべきだと語っている。
津波によって推計2000万トンのがれきが陸に残ったが、そのがれきの多くは、震災発生から10カ月が経過した今、被災地中で大量に腐って臭いを放っている。(最大2000万トン超の震災がれき──ほぼカリフォルニア州を覆い尽くすと推定される──は、太平洋にも漂流している。) 莫大な量のがれきは被災地で処理できる量をはるかに超えている。そのため、この地域を外見上もとの生活に戻す取り組みの表れとして、全国の多くの受け入れ自治体にがれきを分散させる計画だ。
9月末、東京都は岩手県から50万トンの震災がれきを受け入れることに合意した。岩手県は、1月1日に施行された「放射性物質汚染対処特別措置法」の下でがれきを一掃することになっている8県のうちの1県だ。この法律によって、多くの放射性がれきを焼却処分することができる。少なくとも6月末から進められてきたことだ。
しかし放射性がれきの量は莫大であるため、処理は困難であることが明らかになっている。千葉県柏市は埋め立てるにはあまりにも汚染されている放射性焼却灰をすでに200トン以上抱えていて、これ以上貯蔵できないため、主要焼却場の1つを最近閉鎖した。
カリフォルニアを拠点とするFukushima Fallout Awareness Network(福島放射性降下物監視ネットワーク:FFAN)によると、放射性がれきの焼却は問題を処理する最悪の方法である可能性があるという。焼却するとさらに多くの放射性物質が大気に放出されるからだ。日本中に汚染を拡大させるだけでなく、ジェット気流にも送り込まれる。ひとたびジェット気流に乗ってしまうと、放射性粒子は北半球中をめぐり、雨や雪などの凝結物となって地球に戻ってくる。福島でメルトダウンが始まってから5日後、放射性降下物はアメリカ西海岸まで達した。約1週間後には、はるか遠くのフランスでも測定された。
10月、「Nature」誌で日本政府が当初推定した福島の放射線量は、放射線監視局国際ネットワークの北欧の研究者たちが算出した量より大幅に少ないと報告された。放射線監視局は、核実験を発見するためにウィーン拠点の「包括的核実験禁止条約機関」が活用している局だ。
果てしない福島の副産物
細胞分裂が活発な子宮内の胎児、乳児、幼児や、免疫力の弱い人や高齢者は、最も被ばくの影響を受けやすい。米国環境保護庁(EPA)やUCバークレイ原子力工学大気監視局などの「公的」情報筋は、放射性降下物による健康の影響を重要視していない。実際、EPAは福島の放射性降下物はアメリカ国民にとって問題にならないと確信したため、メルトダウンが始まってから2カ月足らずで、福島からもたらされる放射性降下物を特に監視するのをやめてしまった。
しかし監視をおろそかにしても、放射性降下物を消し去ることはできない。もっとはっきり言えば、放射能汚染の別の深刻な問題は、環境の中で生物濃縮することなのだ。つまり、食物連鎖が進むにつれ、放射性物質が濃縮されるということである。(魚の体内に蓄積される水銀を考えてみてほしい。) 多くの放射性核種(放射性同位体)は半減期が長いため、非常に長い間、問題になる可能性がある。例えば、イギリスでは最近になってようやく、1986年4月のチェルノブイリ原発事故による汚染のため、いまだに全ての羊肉の販売が禁止されているウェールズの残り334カ所の養羊場に対し、規制を解除するか検討しているのだ。
この映像のなかで、FFANメンバーのキンバリー・ロバーソン女史は、地震と津波に続いて起きた福島第1原発の最初の事故は予想外のことだったが、「莫大な量の放射性がれきを焼却することによって、新たな人道的危機を引き起こそうとしている」と指摘している。さらに、この危機──「いみじくも未来に手渡された何世代も続くDNA損傷」──は余計であり、意図的で、それを止めるためにあらゆる手を尽くすべきだと語っている。















