経団連と政府系類似銀行、貿易団体などアメリカと関係のある全員が、TPPへの加盟に賛成を表明した。こうなると早いほうが良い。
民間シンクタンク総合政策研究会によれば、TPP(環太平洋貿易協定)への参加を引き伸ばせば、より多くの雇用が海外へ向かい産業基盤が崩れるスピードがさらに速くなる危険性があるという。
野田佳彦首相に渡された一連の提言で、総合政策研究会は自由貿易協定への早期参加を求めた。
提言では、外国と自由貿易契約を結び輸出基板を引き上げた韓国との比較を行い、TPP非加盟は多くの企業が「雪崩をうって」海外へ設備を移すおそれがあると主張した。
また、3月11日の震災からの復興のためにも、すぐに加盟するべきだと続いている。(日経新聞)
問題は、すでに多くの企業が海外移転へ雪崩をうっていることだ。そのことと自由貿易協定に加盟するかどうかは、関係がない。日本の法人税の高さや、公務員労組と企業が恩恵を得るだけで有害な労働規制、大気汚染から人々を過剰に守る馬鹿げた環境規制のせいだ。
TPPについて触れるたびに指摘しているように、海外に流出している企業こそがTPPから最も利益を得るだろうし、その事が日本の他の企業に、より産業に向いた国へと向かわせる動機にもなるだろう。そういった海外生産者たちがベトナムやマレーシアで日本の消費者向けに製品を作り、関税や規制無しに日本へ送れるとしたら、なぜ日本に残っている必要があるだろう?みんないなくなるのではないか。だからこそ、産業界のリーダーたちはTPP加盟を喉から手が出るほど欲しているのだ。
総合政策研究会はまた、TPP参加の効果を高めるために、農業改革を推進すべきだと訴えた。農家の高齢化や耕作放棄値の増加などで、日本の農業は「危機に瀕して」おり、TPP参加は「国際競争力のある農業」にするチャンスだと強調した。
具体的には、大規模農業の推進、減反政策と価格保障の撤廃、食料品輸出の強化、所得補償制度の大幅見直し、農業参入の自由化を挙げている。
農業参入の自由化は、海外の大規模農業の思うつぼだ。政府は小規模農業を大企業に差し出す(犠牲は分担するのだから)ことができるようになる。食料品輸出の強化といっても、自国の食糧自給率がたった40%なのに、何故輸出?その代わりにもっと自立して、海外の食糧供給に頼らない(グローバリストたちの夢、国家中心主義だ)ようになればいい。
外国の大規模農業は、アメリカで受け取っているような高額の農業補助金を求めるだろう(そしてアメリカがTPPに加盟しても諦めないだろう)。そして日本には、ラベル表示のない遺伝子組み換え食品や、特許取得済みの種(大規模農業は小規模農業に、前年の種を取っておかず毎年新しい種を買わせるだろう。飼料用も同じだ)、日本政府にちゃんと答えない運営機関がやってくる。
その手の海外企業なら、もし日本政府が彼らにとって利益を害すると考えられるような立法行為を行ったら、政府を訴える可能性もある。これはすごいことだ。つまり日本政府は、日本人のための法律を通すために諸外国の許しを得ないといけなくなる。
日本以外にとっては美味しい話だが、日本が得られるのは低賃金の事務労働や観光業などだけだ。だがそんな低賃金労働も簡単には手に入らなくなる。なぜならTPPは、インドネシアやマレーシア、インド、アフリカなどからの、さらに低賃金の移民労働者に対する国境もオープンにするのだから。
この民間のシンクタンクに関してはどうだろう。ウェブ上の情報をざっと見てみると、どうやら日本のエリートたちによって作られ、支持されているらしい。戦前には日本の軍隊化を(あれは非常に上手くいった)、その後は原発を(これも上手くいった例だ)、本当に儲かるアメリカとの協調関係を(そこからまだ利益を得ようとしている)、社会補償制度と税制度を(それぞれ破綻して値上がりしている)、過去20年間(しかもまだ続いている)の悲惨な景気刺激・資金援助・赤字支出体制を、そして福島原発事故でのメルトダウン隠蔽を(彼らの経済利益を守るために、どれだけの人の命を賭けたというのか)、国民にもたらしたのと同種の人々だ。
一般的な日本家庭のことを心配しているかも知れない、と期待できるかも知れない-すべきでないとは思うが。彼らは、自分たちのことを特権と恩恵に恵まれた現代の侍だと思っているのだ。
本当に心配すべき事は、政府やメディア内部の誰一人として、TPPで本当はどうなるのか説明しないことだ。「自由貿易」という概念を、まるで誰にとっても良いことのようにぽんと持ちだしているが、実際は違う。それは理論であり、歴史的に成功した試しはない。だから細かい部分が決められてしまう前に加盟すべきだ。気候変動や炭素クレジットのような大掛かりな詐欺なのだから。。
警戒せよ、日本。彼らは常に欲しいものを得てきた。アメリカが同じものを欲しがっている時は、特に。TPPは成る。遅いよりは、早いほうが良い。
















